江戸城の中を歩きたい(4)
不定期連載の第4回。
江戸城ゲーム制作の進捗状況は現在ストップ。江戸城こぼれ話は「白書院について」です。
1年ぶりの更新になります。時が経つのは早うございますね・・・。たてめでございます。
江戸城内を歩き回るゲーム制作は現在ストップしています。
図面とにらめっこしているだけではどうにも細かい箇所についての設定が定まらないところがあり、ゲームマップに落とし込むにあたって、デフォルメを兼ねてまずは「Project Zomboid」というゲーム内で江戸城を作ってみよう!と思い立ちまして。
このページ下部にもリンクがありますが、ねこじたゲームスで「Zomboid内江戸城再建日記」という連載を始めましたので、興味のある方はそちらの記事もご覧くださいませ。
江戸城を歩くゲームを制作するに際して、できるだけ忠実に江戸城のマップを再現したいと思ってはいるのですが、実際にZomboidで江戸城を建てていると、「ゲームマップ」に落とし込むというのはなかなか難しいな・・・と感じることが多いです。
私がゲーム制作に使用するつもりのゲームエディターは、マップのレイヤーを3枚重ねることができるのですが、この3枚という縛りでどこまで忠実に再現することができるか・・・というところに頭を悩ませています。
Zomboidゲーム内にあるパーツはとてもシンプルなので、建てている最中に「どうしても必要なもの」や「そこまでこだわる必要のないもの」が頭の中で整理されていくため、私としてはとても助かっています。何より江戸城間取りが立体化されていくのがとても楽しい!
そんなわけで、しばらくはZomboidで江戸城を建てるため、江戸城歩きゲームの制作はいったんストップしています。
大奥の間取りを図面に起こす作業は終了していますが、柱の位置や壁・障子の位置などの資料に関しては、未だ全部屋分は揃っていないため、資料探しも継続してゆる~く行っていきます。
江戸城の公式イベントスペースである「広間」には、「大広間」「白書院」「黒書院」の3つがありました。
広さでいえば、大広間は全体で約500畳、白書院は全体で約300畳、黒書院は全体で約200畳となっており、玄関に最も近いのが大広間、遠いのが黒書院で、白書院はちょうど中間に位置します。
部屋の格式の高さ順でいうと大広間→白書院→黒書院なのですが、これはあくまでも部屋の格式のお話。将軍のプライベート空間に近い順でいうと黒書院→白書院→大広間となり、黒書院に関しては大名家自身の格式がそこそこ高くなければ入ることができない場所でもありました。
広間としての格式的にも、将軍のプライベート空間からの距離においても中間にある白書院は、いったいどのような場所だったのか。私の印象として「白書院」は、他の広間とは一風変わった使われ方をするオシャレ空間といった感じです。
今回こぼれ話でご紹介する「白書院」は、「上段」「下段」「納戸」「連歌之間」「帝鑑之間」、そしてそれらをぐるりと囲む「入側」と西側にある「廊下」、さらに「波之間」と「小溜」で構成されていました(諸説あり)。
白書院を特徴付けるポイントはいくつかありますが、まずは何といっても「広い濡榑縁(ぬれくれえん)」では無いでしょうか。
濡榑縁とは、屋根のかかっていない縁側(濡れ縁)の敷居と平行に板を張った縁側(くれ縁)のことで、選ばれし武士たちが将軍の前で武芸を披露するステージとして使用されていました。
さらに濡榑縁の前にある中庭では舞楽や蹴鞠などのイベントも行われたようです。なんとも華やかですね~。
次に白書院を特徴付けるポイントは、「連歌之間(れんがのま)」が作られたというところではないでしょうか。
「連歌」を簡単に説明すると、数名で連作して和歌を詠む、といったものだそうです。時代によってシンプルに「五七五、七七」で終わるものもあれば、その後にさらに数回「五七五、七七」を続けたりする長いものもあったようです。
「連歌之間」は、まさにその名のとおり「連歌イベントを催すためだけ」の部屋なわけですが、この連歌イベントに将軍が参加することは無かったようです。
ただ、将軍も連歌を楽しみたい気持ちはあったのでしょう。部屋には入らず、少しの間立ち止まったり、付近を歩きながら、部屋の外に漏れてくる歌を聞くこともあったようです。
連歌の間は畳床(床の間が畳になっている)ということもあり、カチッとした雰囲気ではなく寛げるような雰囲気の部屋になっていたようですので、さすがに将軍がこのようなフランクな場所で皆と一緒に楽しむわけにはいかなかったのかもしれません。立場って切ない・・・。
このような文化・芸術イベントにも使用された白書院ですが、主としては将軍の応接間として機能し、大名の謁見や勅使のおもてなしの際に使用されていたようです。
ちなみに「白書院」という名前は、柱や天井に塗料を使用しない素木(しらき)の檜(ヒノキ)だったことが由来となって付けられたようですよ。
そんなところまでなんとなくオシャレな雰囲気を放っていますが、檜を使っているということで、きっと部屋に入るとふわっと良い香りがしたんでしょうね・・・。
なんてオシャレなのかしら白書院!
今後しばらくは、なんとなく「Zomboid内江戸城再建日記」とリンクするような感じで、こちらの連載の更新をしようかな~と思っております。
こちらで紹介した部屋をZomboid内で建てる、という順番にすると、記事を読んでいる方に「そこがどんな特色を持った部屋なのか」が伝わりやすいかな・・・と。
ですので近日中に「Zomboid内江戸城再建日記」で、今回こぼれ話でご紹介した「白書院」を建築する様子を綴った記事をアップしますよ!
どうぞゆる~くお待ちくださいませ~。
「Zomboid内江戸城再建日記」シリーズ
ゾンビ0の「Project Zomboid」内で、のんびり江戸城を再現します。間取り好きによる趣味の世界です。